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読書感想文「きよしこ」

重松清(著)、きよしこをようやく読み終えました。
買ったのはいつだったっけ。
検索したら去年の7/10でした。
1年たって、ほんとにようやくといった感じ。


吃音というハンディをもった少年が、小学生低学年から大学進学するまでのお話。壮絶なドラマがあるわけでもなく、ただひとりの少年が成長していくようすを、人との出会いや心の内外を通じて描いています。
言葉がどもってしまうから言いたいことがうまく言えない。仲良くなりたい人がいても、笑われるのが恐くて話しかけることができない。あともう一歩を踏み出す勇気がちょっと足りない。
どもりはしなくても、日常でそんなことは誰にでもある経験です。だから、そんな少年の悔しさが切ないほど伝わってきます。

でも、少年はだんだん想いを言葉にすることが
できるようになります。
ずっと父親の転勤でいろんな土地へ引っ越し、
周りに振り回されて育った少年が自分の進路を
自分ではっきり決めます。
成長していく主人公の姿があまりにもかっこよくて
思わず涙が出ました。

心理描写もそうですが、風景の描写もすごく巧みで
自分が小学校の教室にいるような感覚が味わえます。
懐かしい気持ち。
今まで生きてきて「あの時、言えばよかった」と
思える多くの場面がリフレインします。
でも自分を嫌いになったりすることはなくて
もうちょっと物事言える人間になりたいなって
気持ちにさせてくれる本です。
むしろ、読後はものすごく爽快。

はっきりした地名は出てこないんだけど
どことなく親近感のある方言やイニシャルが出てきて
そこでも楽しめました。

かなりおすすめです。
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by bokulife | 2006-06-28 09:15 | notes